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細胞:骨髄細胞における血管内皮細胞増殖因子の欠失は腫瘍形成を促進する

Nature 456, 7223 doi: 10.1038/nature07445

腫瘍の進行には血管新生と血管網の発達が必要であり、これらには腫瘍細胞および間質細胞の両方からの血管内皮細胞増殖因子(VEGF-A)などの血管新生因子の放出がかかわっている。骨髄系細胞の浸潤は多くの腫瘍の特徴だが、多くの場合、浸潤細胞中のマクロファージがVEGF-Aを発現している。本論文では、炎症細胞由来のVEGF-Aの欠失は典型的な高密度血管網形成を低下させ、その結果として、マウスの固形腫瘍で血管新生スイッチが遮断されることを示す。骨髄細胞由来VEGF-Aを欠失する腫瘍の血管系は蛇行が少なく、周皮細胞による被覆が増大し血管長の短縮がみられた。これは血管の正常化を示している。また、骨髄細胞由来VEGF-Aの欠失によって、腫瘍内の全VEGF-Aレベルに影響がない場合でも、腫瘍のVEGF受容体2(VEGFR2)のリン酸化レベルが低下する。しかし、多数の同系皮下移植モデルおよび自然発生乳腺腫瘍トランスジェニックモデルでは、骨髄細胞由来VEGF-Aの欠失によって腫瘍の進行が促進され、腫瘍細胞の細胞死総数の減少および腫瘍内低酸素状態の回復がみられた。さらに、骨髄細胞由来VEGF-A欠失によって、腫瘍は化学療法剤の細胞毒性に対する感受性が上昇した。これは、骨髄細胞由来VEGF-Aが腫瘍形成時の血管系変化やVEGFR2へのシグナル伝達に不可欠であること、またこうした変化が腫瘍の進行を促進するのでなく、遅らせるように働いていることを示している。

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