Letter 生態:分散ネットワーク構造が生態学的動態に及ぼす強い影響 2008年12月11日 Nature 456, 7223 doi: 10.1038/nature07395 野生生物の管理や保全、生物学的防除に極めて重要な生態学の中心的問題の1つは、結合性の変動が、相互作用する種の存続や動態にどのように影響するかということである。さまざまな分野の研究者が、自然界の多様な変動系の挙動をモデル化するのに、大規模な結合振動子系を用いてきた。よく研究されている弱結合という概念では、結合強度の増強や、近道やクラスター化を生じる大規模ネットワーク構造(例えば「スモールワールド」)によって、同期化が起こりやすくなる。今回我々は、これとは対照的に、捕食者-被食者モデル内での分散ネットワークの構造をランダム化すると、非同期性と過渡的動態長期化が生じやすくなる傾向がみられ、その結果として個体群変動の振幅に影響が及ぶことを示す。我々の結果は、生態学により適したモデルにおける同期化とクラスター動態や時間スケール、つまり、これまでよく研究されてきた大規模な弱結合系ではなく、弱結合以外に強い相互作用をもつ「より小規模な系」に注目している。これらのより小規模な系では、位相の動的パターンの数値的再構成、クラスター形成の検証、振幅をはじめとする周期的動態の重要側面の考慮といった一連の方法を用いることで、過渡的な動態および結合性の変動の影響をよく理解できる。 Full Text PDF 目次へ戻る