Letter 細胞:発生中のリンパ球では、DNA二本鎖切断が1個の多機能遺伝子プログラムを活性化する 2008年12月11日 Nature 456, 7223 doi: 10.1038/nature07392 DNA二本鎖切断は、遺伝毒性物質によって起こり、また細胞のエンドヌクレアーゼによって、いくつかの重要な生理過程の中間体として生じることがある。遺伝毒性物質によるDNA切断に対する細胞応答の1つが、細胞周期チェックポイントと細胞の生存の調節を主に行うことが知られている転写プログラムの活性化である。発生中のリンパ球では、抗原受容体遺伝子を組み立てる際に必ずDNA二本鎖切断が起こる。正常なリンパ球の発生には、この受容体遺伝子組み立て過程は不可欠である。今回我々は、マウスのリンパ球では、このような生理的DNA切断が広範囲に働く1個の転写プログラムを活性化することを明らかにする。このプログラムは典型的なDNA二本鎖切断応答の範囲を超えており、リンパ球の発生に重要なさまざまな細胞過程を調節する多くの遺伝子を含んでいる。また、これらの遺伝子のうち、いくつかの遺伝子の発現は遺伝毒性物質によるDNA損傷に対する応答でも同様に調節されている。したがって、生理的DNA二本鎖切断は、ゲノムの完全性の維持には直接かかわらない細胞種特異的な過程を調節する合図となり、遺伝毒性物質によるDNA切断は、この過程を乱すことによって正常な細胞機能を破壊するのかもしれない。 Full Text PDF 目次へ戻る