Letter

進化:Panderichthysの胸びれと、指趾の起源

Nature 456, 7222 doi: 10.1038/nature07339

指趾の存在は、四肢動物(四肢をもつ脊椎動物)に固有の特徴の1つである。四肢動物の四肢骨格の近位部分は肉鰭類魚類の有対鰭骨格と容易に対応させることができるが、指趾の起源に関しては議論が多い。初期の仮説では、指趾をひれの放射骨から派生したものと解釈していたが、1990年代には、指趾は進化的に新奇に出現したものであって、魚類のひれの骨格には直接的に対応するものがないという考え方が受け入れられるようになった。これは発生遺伝学的データに基づく部分もあるが、エルピストステゲ類(四肢動物への移行途上の魚類)のPanderichthysの胸びれ骨格には指趾状の遠位放射骨がないとみられていたことも大きかった。今回我々は、Panderichthysの原形をとどめた胸びれをCTスキャンで観察した。その結果、過去の復元標本にみられる板状の「尺側骨(ulnare)」が人為的なものであり、遠位放射骨が実在したことが明らかになった。この遠位部分はTiktaalikにみられるものと比較して四肢動物に近く、原始的な条鰭類、サメ類、および肺魚のひれの発生に関する新データと組み合わせると、指が四肢動物で新奇に現れた構造ではなく、すべての肉鰭類魚類がもっていた遠位放射骨に由来するものであることを示す強力な証拠となる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度