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化学:アトムエコノミカルかつ化学選択的な方法によるブリオスタチン16の全合成

Nature 456, 7221 doi: 10.1038/nature07543

有機合成の効率向上に用いられる概念の中で、アトムエコノミー(反応物中に存在する原子のほとんどが生成物中に取り込まれるような合成ルートの使用)と化学選択性(分子内の目的とする位置のみで起こる反応の使用)の2つは特に有効である。複雑な天然物の合成は、このような原則を探索するのが大変難しい領域である。ブリオスタチン類の化合物は、構造の複雑さと有望な生物活性を併せもつため、特に興味深い対象である。さらに、一部のブリオスタチンへの合成ルートは既に報告されており、新しい合成を評価する基準となっている。今回我々は、ブリオスタチン16(1)の簡潔な全合成について報告する。ブリオスタチン16(1)は親構造体であり、原理的にほぼすべてのブリオスタチンをこの化合物から得ることが可能である。現在開発中のアトムエコノミカルかつ化学選択的な反応を適用することによって、他の多くの天然物に共通の構造的特徴であるポリヒドロピラン・モチーフが分子内に容易に導入される。最も注目すべき変換反応は、遷移金属に触媒される2つの反応で、その第一は2個の異なるアルキンから大きな環を形成するパラジウム触媒反応である。この段階の生成物は次に、金化合物に触媒される第二の重要な反応により、ジヒドロピラン(ブリオスタチンの「C環」)に変換される。この合成ルートに従えば、天然に存在しないブリオスタチン類似体が容易に合成できる可能性があり、ブリオスタチンの生物活性を微調整できるようになるかもしれない。

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