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免疫:セリアック病での抗グルテンT細胞応答にHLA-DQ8 β57の多型が果たす役割

Nature 456, 7221 doi: 10.1038/nature07524

クラスII主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の対立遺伝子がコードするHLA-DQ8とそのマウスホモログであるI-Ag7は、β鎖の57番目(β57)に通常存在するアスパラギン酸残基が欠如しており、これらはセリアック病やI型糖尿病と関連がある。しかし、この単一の多型が発病や進行に果たす役割はほとんど明らかにされていない。57番目のアスパラギン酸(Asp 57)が欠如すると、正電荷をもつP9ポケットが形成され、そのため、負電荷をもつペプチドが配位しやすくなる。グルテンにはそのようなペプチドはないが、グルテンのT細胞エピトープではプロリン残基に対して特定の間隔でグルタミン残基が存在しているために、組織トランスグルタミナーゼ(TG2)がそのグルタミン残基を特異的に脱アミド化して、T細胞エピトープの決まった位置に負電荷をもつアミノ酸残基が導入される。HLA-DQ8が単に負電荷をもつペプチドに結合しやすいという一般に受け入れられているモデルは、TG2の活性化に炎症が必要であることや、天然のグルテンペプチドに対するT細胞応答が、(特に小児で)みられることが考慮に入れられていない。本論文では、セリアック病ではHLA-DQ8が提示する天然のグルテンペプチドに対する応答の際に、β57の多型が相補性決定領域3β(CDR3β)に特徴的な負電荷をもつT細胞受容体の集合を促進することを示す。このようなT細胞は、脱アミド化されたグルテンペプチドに対して、交差反応性応答やヘテロクリティックな(より強力である)応答を示した。さらにグルテンペプチドの脱アミド化は、CDR3β中の電荷をもつアミノ酸残基の必要性を低下させるために、T細胞受容体のレパトアを拡大した。したがって、MHCクラスII分子のβ57アミノ酸の負電荷喪失は、T細胞受容体あるいはペプチド中の負電荷をもつアミノ酸残基によって補われ、このT細胞受容体とペプチドとの組み合わせによって、食事性グルテンに対するT細胞応答増幅におけるHLA-DQ8の役割を説明できる可能性がある。

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