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遺伝:ヒト組織トランスクリプトームにおける選択的アイソフォームの制御

Nature 456, 7221 doi: 10.1038/nature07509

哺乳類では、メッセンジャーRNA前駆体の選択的プロセシングによって、1個の遺伝子から複数のmRNAおよびタンパク質アイソフォームが作り出されることがしばしばであり、これらのタンパク質は機能に関連があるもの、異なっているもの、あるいは相反する機能をもつ場合さえあると考えられている。今回我々は、相補的DNA断片のディープシーケンシングに基づいて、ヒトの15種類の組織および細胞系列のトランスクリプトームに関する詳細な解析を行い、遺伝子およびmRNAアイソフォームの発現のデジタル目録を作製したことを報告する。個々の塩基配列読み取りをエキソン-エキソン接合部にマッピングする解析では、ヒト遺伝子の92〜94%が選択的スプライシングを受けており、低量アイソフォームの頻度が15%以上の遺伝子は約86%となった。アイソフォームに特異的な配列読み取り密度(被覆度)の差異は、大半の選択的スプライシング、選択的切断、およびポリアデニル化現象が組織間で異なることを示していたが、個人間でのこれらの変異の共通度は組織間の約2分の1から3分の1だった。組織間でのスプライシングの極端な「スイッチ様」の制御には、制御領域における高い配列保存性、並びに完全長の読み枠(ORF)形成との関連性が認められた。選択的スプライシングと選択的切断のパターン、およびポリアデニル化には、各種組織を通じて強い相関がみられたことから、これらの過程は協調的に制御されていることが示唆された。また、選択的なイントロンでも3′非翻訳領域でも、既に知られる少数の制御モチーフの塩基配列が保存されていることから、スプライシングとポリアデニル化の組織レベルでの制御には特異的因子が共通して関与していると考えられる。

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