Letter 細胞:移植された単一筋幹細胞の自己複製と増殖 2008年11月27日 Nature 456, 7221 doi: 10.1038/nature07384 成体の筋衛星細胞は、出生後の骨格筋の成長と再生に主要な役割を担っている。衛星細胞は、筋繊維を包む基底膜の下に休止状態で存在し、損傷に応答して、一過性に増殖する細胞(前駆細胞)や筋繊維に融合する筋芽細胞を生み出す。最近の実験から、新たに単離された衛星細胞、あるいは1本の完全な筋繊維の移植に由来する衛星細胞は、培養筋芽細胞とは異なり、筋の修復を強力に推し進めることが示された。しかし、衛星細胞は不均一であることが知られているので、幹細胞機能を実証するにはクローン解析が必要である。本論文では、ルシフェラーゼを発現する単一の筋幹細胞をマウス筋へ移植すると大量の増殖が可能で筋繊維になること、そしてPax7+ルシフェラーゼ+の単核細胞は容易に再単離できることを示す。これは、筋幹細胞の自己複製の証拠となる。さらに我々は、in vivoでの生物発光画像化を用いることで、従来の遡及的な組織学的解析では不可能だった、筋修復過程における筋幹細胞のふるまいの動的追跡が可能になったことを示す。ルシフェラーゼ活性の画像化、リアルタイムの定量および動態解析によって、ドナーに由来する筋幹細胞は、投与後恒常性に達するまで急速に増殖し、生着することが示される。損傷の場合は、ドナー由来の単核細胞は細胞増殖の非常に大きな波を生じる。まとめると、これらの結果は、ルシフェラーゼを発現する単一の筋幹細胞の子孫細胞は、マウスへの移植後に自己複製と分化の両方が可能であることを示すもので、これは、自己複製は単一の成体筋幹細胞の自律的な性質であることをクローンレベルで示す新しい証拠である。 Full Text PDF 目次へ戻る