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気候:海洋循環の変化によって制御された氷期の温室効果ガスの変動

Nature 456, 7220 doi: 10.1038/nature07531

地球の気候と大気中の温室効果ガスである二酸化炭素(CO2)や亜酸化窒素(N2O)の濃度は、過去の氷期の間に、千年スケールで大きく変動した。グリーンランドと北大西洋で起こった大規模で急速な温暖化イベントの後にはよりゆるやかな寒冷化が続き、これらは氷床コアに記録されているようなN2Oの変動と強い相関がある。その一方で、南極域の気温変動は、より規模が小さくゆるやかであり、グリーンランドの寒冷期の間の温暖化と北大西洋の温暖期における寒冷化がみられ、これらはCO2の変動と高い相関がある。ダンスガード・オシュガー気候振動の物理的特徴は、大西洋の南北方向の鉛直循環(AMOC)の急激な変化を援用して説明されることが多い。しかし、温室効果ガスの変動機構とそれらの変動をAMOCと結びつける機構はまだよくわかっていない。本論文では、氷期の気候と生物地球化学的サイクルを結合した、AMOCの変化のみを強制力とするモデルによるシミュレーションを示す。このモデルは、CO2とN2Oの変動だけでなく、ダンスガード・オシュガー気温変動の特徴的な様相も同時に再現する。陸上の炭素蓄積量の顕著な変化にもかかわらず、千年スケールでのCO2の変動は、深海の生物学的に隔離された炭素蓄積量のゆっくりとした変化に支配され、南極の気温と南大洋の成層化と相関がある。対照的に、水温躍層の酸素収支が急速に調節されるため、N2Oはグリーンランドの気温と共により急速に変化する。これらの結果から、氷期のCO2とN2Oの千年スケールでの変動を駆動した主要な機構は海洋循環の変化であったことが示唆される。

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