Article 生理:Rh因子Rhcgが腎臓のアンモニウム排出と雄の生殖能力に果たす役割 2008年11月20日 Nature 456, 7220 doi: 10.1038/nature07518 腎臓は、酸-塩基恒常性の調節に重要な役割を果たしている。腎臓でのアンモニウム(アンモニウムイオンNH4+とアンモニアNH3の合計)の生産と排出は、基本条件下や代謝アシドーシスの際の正味の酸の排出に不可欠である。アンモニウムは、ネフロン遠位部分にある集合管によって尿中へ分泌される。この集合管でのアンモニウム輸送は、H+分泌と共役した非イオン型NH3の拡散によって行われると考えられている。今回我々は、この過程がRhesus(Rh)因子Rhcgに大きく依存していることを明らかにする。Rhcgをもたないマウスでは、酸負荷に際してアンモニウム排出が損なわれるために、尿の異常な酸性化が起こる。これは、遠位尿細管アシドーシスにみられる特徴の1つである。酸負荷をかけたRhcg−/−マウスの集合管をin vitroマイクロ灌流法で調べると、細胞頂端部のNH3透過性が低下し、経上皮NH3輸送が起こらなくなっていた。また、Rhcgは精巣上体の上皮細胞に局在しており、生殖能力や精巣上体液のpHを正常に保つにはRhcgが必要である。このようにRhcgは、腎臓と雄の生殖器官の両方で、アンモニウムの処理とpH恒常性に重要な役割を担っているものと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る