Letter 脳:視床での注視による皮質への関門の監視 2008年11月20日 Nature 456, 7220 doi: 10.1038/nature07382 眼から脳への大量の視覚入力には、他の情報は捨てて一部の視覚情報を選択的に処理することが要求され、この過程を注視という。注視に伴う視覚ニューロンの応答増大は、サルの大脳皮質で、一次視覚野から頭頂葉・前頭葉皮質へ向かう視覚処理経路に沿って、詳しく調べられている。今回、注視実行中のマカクザル(Macaca mulatta)ニューロンからの記録で、注視による調節は視覚信号が皮質に到達する前段階で既にかかっており、それは網膜と皮質の間の最初の中継点である外側膝状体核(LGN)での大細胞ニューロン・小細胞ニューロンの応答の高まりによっていることがわかった。これと同時に、隣接する視床網様核(TRN)のニューロン応答性は、注視によって低下していた。クリックは、LGNがTRNから抑制を受けていることを観察することによりLGNでのこのような調節の存在を主張し、「視床を皮質への関門とするなら、網様複合体は門番といえるだろう」と示唆したが、今回我々が示す相互関係は、この論を単なる仮説の域から引き上げたことになる。LGNとTRNの間の相互調節は視覚の初期応答中だけでなく、後期の応答でもLGNの調節は再び現れ、LGNの注視性調節には初期・後期で別の発生源のあることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る