Letter

気候:後期更新世の気候変動の過渡的な性質

Nature 456, 7219 doi: 10.1038/nature07365

更新世初期の気候は41 kyrの周期で変動しており、地軸の傾きと関連があった。約900 kyr前に変動が大きくなり、主として約100 kyrの周期で振動していたことから、この時期の気候は地球軌道の離心率と関連があったことが示唆される。この遷移は、外部境界条件の小さな変化に対する非線形応答に起因するとされることがしばしばであった。我々は、過去100万年間の変動増大は、気候システムが第二の分岐点に近づいていることを示しており、この分岐点を過ぎると、北半球中緯度の恒久的な氷河作用を特徴とする新しい安定状態に気候システムが再び遷移する可能性があると考える。この見方に基づくと、過去100万年間は地球気候の進化における過渡的な期間であったと考えられる。我々のこの仮説は、エネルギー収支と氷床過程を結合したモデルを用いて裏付けられる。さらに、このモデルによって、将来の遷移にはユーラシア氷床の大規模な拡大を伴う可能性が予測される。急激な変化を引き起こす過程は、雪氷の先端におけるアルベドの不連続性であると思われる。最もよく当てはまるモデルによる実験では、過去400 kyr間の全球氷体積変動のほぼ60%を説明でき、地質学的に近い将来に、我々が提案する氷河状態に向かう急速な遷移が起こると予測される。もしこの遷移が実際に起これば、この気候状態は現在の気候よりも「対称性」が高く、氷と海氷が覆う面積が両半球で同程度になり、両極における非氷河気候から氷河気候への進展が起こった過去5,000万年の終結となる可能性がある。

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