Letter 工学:シリコンチップベースの超高速光オシロスコープ 2008年11月6日 Nature 456, 7218 doi: 10.1038/nature07430 通信データ速度の高速化や超高速の化学的・物理的現象への関心の拡大に伴い、ピコ秒未満の分解能で光波形の簡易測定を可能にする技術の開発が重要になってきた。高速光検出器を備えた最先端のオシロスコープは、30 psの分解能でシングルショット波形を測定できる。マルチショット・サンプリング技術では数ピコ秒の分解能を達成できるが、急速に変化する、非同期的である、あるいは一度しか起こらないかもしれないといった事象の解析には、シングルショット測定が必要である。シングルショット分解能のさらなる向上は、マイクロエレクトロニクスの帯域幅制限があるため、困難である。このような制限を克服するために、全光学的技術に目が向けてられているが、それはフォトニクスでは処理帯域幅を広げられるからである。このため、標準的なエレクトロニクス・プラットフォームにフォトニクスを組み込むことに急速に関心が高まり、シリコンフォトニクス分野が誕生し、次世代コンピューター処理ユニットの実現や高帯域通信の進歩が可能になると期待されている。これらの分野でシリコンフォトニクスが成功するためには、光学性能を監視するオンチップ光信号処理が重要となるであろう。次世代通信以外にも、超高速測定技術が及ぼし続ける科学的影響から明らかなように、シリコン互換性のある超高速計測法は、多くの基礎研究分野にとって非常に有用であろう。今回我々は、シリコンチップ上の4波混合という非線形過程による時間周波数変換を使って、シリコンフォトニックプラットフォーム内での波形測定技術を実証した。我々は、220 fsの分解能で100 ps以上の長さにわたって光波形を測定した。これは、あらゆるシングルショット対応ピコ秒波形測定技術の中で最大のレコード長対分解能比(>450)である。今回の方法は、シングルショット測定を可能にし、使われているのは相補型金属酸化物半導体(CMOS)互換性シリコン・オン・インシュレーター技術とシングルモード光ファイバー用の高度な電子材料と光学材料のみである。成熟したシリコン・オン・インシュレーター・プラットフォーム、およびこれらのCMOS互換性フォトニクスがエレクトロニクスと一体化可能であることから、この技術の拡張による一般的な卓上型やチップスケールの計器を実現に大きな期待がもてる。 Full Text PDF 目次へ戻る