Letter 細胞:非翻訳型RNAのカスケード転写により段階的に進むクロマチン再編成 2008年11月6日 Nature 456, 7218 doi: 10.1038/nature07348 高密度タイルアレイを使った最近のトランスクリプトーム解析とFANTOM3コンソーシアムによる完全長相補的DNAライブラリーの大規模解析データによって、多くの転写産物は非翻訳型RNA(ncRNA)であることが明らかになった。これらのトランスクリプトーム解析から、以前はほとんど機能をもたないと考えられていた非翻訳領域が、実際には遺伝子発現制御にさまざまな働きをもつことが示されつつある。また、比較的大きい(数キロ塩基程度までの)ポリアデニル化されたメッセンジャーRNA転写産物の大半は、ほとんど非翻訳領域から転写されている。しかし、このようなncRNAの機能はほとんど解明されておらず、議論の的になっている。今回我々は、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)のfbp1+遺伝子座で転写活性化の際に起こるクロマチン再編成に、ncRNAのRNAポリメラーゼII(RNAPII)による転写が必要なことを明らかにした。fbp1+のクロマチンは、fbp1+領域に及ぶ数種のncRNAが転写されるにつれて、次第に開いた状態へと変換されていく。これに伴って、RNAPIIは正統なfbp1+転写開始部位の上流領域を通過していく。この上流領域に転写終結配列を挿入すると、ncRNAの連鎖的な転写とクロマチン構造の段階的な変換の双方が挿入部位の下流で阻害される。これらの結果は、DNA塩基配列に転写アクチベーターとRNAPIIが接近できるようにするためには、プロモーター領域のncRNAの転写が必要なことを明確に示している。 Full Text PDF 目次へ戻る