Letter 遺伝:ヨーロッパにおける遺伝子と地理の密接な相関 2008年11月6日 Nature 456, 7218 doi: 10.1038/nature07331 医科学、法医学、および人類学にとって、ヒト集団の遺伝学的構造を解明することは重大な問題である。高処理能の遺伝子型解析技術の進歩により、ヒトの遺伝的変異の世界的パターンについて理解が著しく深まっており、大規模標本群を用いることで、近接する集団間の差異を解明できる可能性が示唆されている。今回我々は、ゲノム内の50万カ所を超える変異が確認されたDNA部位の遺伝子型が既に解析されているヨーロッパ人3,000例からなる標本群で、遺伝的変異の解析を行った。ヨーロッパ人同士の遺伝的な差異の平均レベルは低かったが、遺伝学的距離と地理的距離の間には密接な相関が見いだされ、実際、ヨーロッパ人における遺伝的変異を二次元に集約すると、ヨーロッパ地図が自然に浮かび上がる。この結果は、疾患表現型の遺伝的基盤をマッピングする場合、遺伝的構造の説明が不適切であれば、誤った関連付けが表れる可能性をはっきり示している。また、今回の結果は祖先の遺伝学的検証の可能性にも関連してくるもので、個人のDNA情報を用いて予想外の正確さ(多くは数百キロメートル以内)でその出身地を推定できる。 Full Text PDF 目次へ戻る