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遺伝:DNAの大量並行塩基配列決定法による個体ゲノムの完全解読

Nature 452, 7189 doi: 10.1038/nature06884

遺伝的変異と病気や薬剤反応性との関連や、核酸技術の改良によって、「ゲノム医療」の効果に対して大いに楽観的な見方が生まれてきた。しかし、二倍体ヒトゲノムは約6ギガ塩基という手ごわい大きさであり、それが、日常的に使われている塩基配列解読技術によってヒト個々人のゲノムを完全解読する妨げとなっている。ゲノミクスのもつ可能性を最大限に引き出してヒトの健康に役立てるには、この制約を克服しなければならない。今回我々は、James D Watsonという一個人の二倍体ゲノムのDNA塩基配列を、ピコリットルサイズの反応容器中で並行して大量の塩基配列決定を行う方法を用いて、2カ月間で重複度7.4で解読した。この塩基配列の解読は2カ月で終わり、従来のキャピラリー電気泳動法に比べて、コストはおよそ100分の1である。参照用ゲノムとの塩基配列の比較により、330万個の一塩基多型が見つかった。そのうちの10,654は、コード配列内にあってアミノ酸置換の原因となっていた。さらに、小規模(2〜40,000塩基対(bp))の挿入および欠失多型だけでなく、コピー数変異の結果生じた26,000塩基対から150万塩基対に上る大きな染色体断片の獲得や喪失も、間違いなく同定された。総じてこれらの結果は、従来法によって最近解読された個人のゲノム塩基配列の結果とよく一致していた。この塩基配列解読法は従来法よりも速くて安価な上、DNAを無細胞系で増幅させるので、細菌でのクローン化を行うランダムショットガン法に付きものの任意のゲノム配列の喪失が避けられる。その結果、従来のゲノム解読でこれまでに見つかっていなかった新規遺伝子を含む、新規なヒト配列を得ることができた。これは次世代技術を使った初めてのゲノム塩基配列解読であり、「個別的なゲノム塩基配列解読」という将来の課題に向けた予備的研究となる。

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