Letter 発生:軸索競合不在下での網膜位相の序列 2008年4月17日 Nature 452, 7189 doi: 10.1038/nature06816 網膜視蓋投射は局所的な脳地図形成のモデルとして、実験的、理論的に長らく研究がなされてきた。隣り合う網膜神経節細胞(RGC)どうしは、軸索を視蓋の隣り合う位置へ投射しており、そのため、視覚空間の連続的な神経表現が再構築される。この軸索に沿ったマッピングは、エフリンA(EphA)リガンドを発現する視蓋細胞から、EphA受容体を発現する網膜成長円錐への化学的反発シグナル伝達を必要とする。前方から後方に向かうにつれ濃度が増すエフリンAが高濃度の場合、側頭側軸索の後方視蓋へ侵入が阻害される。しかし、どのような力によって、鼻側軸索が前方視蓋を通過して後方領域で終端するのかは、まだ明らかにされていない。今回我々は、後方視蓋の神経分布に、競合のような軸索間の相互作用が必要とされるかどうかを調べた。野生型のゼブラフィッシュの割球を、RGCを全くもたないlakritz(lak)変異体へ移植することにより、単独のRGCを含む目をもつキメラ個体を作製した。これらの単独のRGCは多くの場合、軸索を視蓋へ伸長させ、そこで終末分枝を形成した。これらの終末分枝の遠位端は網膜上の適切な位置にあることから、高エフリンAの後方視蓋の神経分布に競合は必須でないことがわかった。しかし、単独の終末分枝は、網膜視蓋投射の精密化の際に近位側の分枝が抑制されないため、正常条件下のものに比べて大きく複雑になった。密な神経分布はゼブラフィッシュ視蓋内で網膜軸索が標的に向かうのには必要とされないが、終末分枝の大きさと形態を制限していると我々は結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る