Letter 医学:非ヒト霊長類でのLNA-介在性マイクロRNAサイレンシング 2008年4月17日 Nature 452, 7189 doi: 10.1038/nature06783 マイクロRNA(miRNA)は発生や疾患に重要な低分子調節性RNAであり、したがって、治療介入の新種の標的となる可能性がある。近年、げっ歯類のmiRNAのサイレンシング研究では進歩がみられたが、in vivoでのmiRNAの塩基配列特異的拮抗阻害のための有効かつ安全な手法の開発は、科学的にも治療の分野でも、いまだに難問であり続けている。また、霊長類でのmiRNAの拮抗阻害に関する報告は存在しない。今回我々は、PBSで洗浄した非抱合型LNA(locked-nucleic-acid)修飾オリゴヌクレオチド(LNA-antimiR)を単純に全身投与するだけで、非ヒト霊長類で肝臓に発現するmiR-122を効果的に拮抗阻害できることを示す。アフリカミドリザルに3あるいは10 mg kg−1のLNA-antimiRを静脈内注射により急性投与すると、LNA-antimiRは霊長類の肝細胞の細胞質に取り込まれ、miR-122と安定なヘテロ二重鎖を形成する。これに伴って成熟型miR-122が減少し、用量依存性に血漿コレステロール値が低下する。霊長類では、10 mg kg−1 LNA-antimiRの3回投与によりmiR-122の効率的なサイレンシングが起こり、対象動物では、LNAに伴う毒性や病理組織学的変化を認めることなく全血漿コレステロールの長期にわたる可逆的な低下がもたらされた。今回の結果は、LNA-antimiRの全身投与がげっ歯類および霊長類でmiRNA機能を調べる上で有効であることを示しており、これらの化合物が疾患関連miRNAに対する新たな種類の治療手段となりうることを裏付けるものである。 Full Text PDF 目次へ戻る