Letter

進化:カンブリア紀前期の大型甲殻類にみられる精妙な粒子摂食

Nature 452, 7189 doi: 10.1038/nature06724

カンブリア紀の節足動物はほとんどが、付属肢の分化を低度にしか必要としない単純な摂食機構を用いていた。対照的に、カンブリア紀より後の甲殻類は摂食の特殊化が極めて多様であり、生態のレパートリーも非常に幅広い。甲殻類はカンブリア紀の化石記録に出現するが、これまでは付属肢の分化が限定された小型個体のものしか知られていなかった。本論文では、体長数センチメートルのカンブリア紀前期の節足動物に見いだされた精妙な摂食装置について報告する。口器の詳細から、この分類群は冠(汎)甲殻類であろうと判断されるが、その摂食様式は細かい食物粒子を作り出してこれを扱うことを可能にするものであり、カンブリア紀節足動物で知られる生態的能力の範囲はこれによって大幅に拡大される。このカンブリア紀前期の化石記録は、粒子を扱える大型甲殻類が大規模に展開した年代より少なくとも1億年前のもので、適応放散の推進に対する生態的背景の重要性がはっきりしてきた。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度