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細胞:マウスの生殖系列におけるエピジェネティックな初期化の際のクロマチン動態

Nature 452, 7189 doi: 10.1038/nature06714

生殖細胞系列特有の性質として、分化全能性の出現が挙げられる。この過程で起こる重要な出来事の1つが、発生中の生殖腺へと移動した後の11.5日齢胚(E11.5)のマウス始原生殖細胞(PGC)で起こる、DNAの脱メチル化と親由来のインプリンティングの消去である。その仕組みについては、能動的過程であるらしいこと以外、ほとんど解明されていない。この初期化についてもっと詳しく知るため、我々はそれに伴うクロマチンの変化を調べた。本論文では、クロマチンの変化が2段階で起こることを明らかにする。最初の変化はE8.5の新生PGCで起こり、多能性に類似した独特なクロマチンの特徴が確立される。次は、PGCが生殖腺に移ってからで、数種類のヒストン修飾の広範な消失と変異型ヒストンの交換を伴う、核構成の大きな変化が起こる。また、初期化中のPGCの核には、ヒストン交換に関与するとされているヒストンシャペロンHIRAとNAP-1(NAP111)が蓄積する。したがって、このようなクロマチン再編成が起こるためには、ヒストン交換機構が重要な役割を果たすと考えられる。この著しいクロマチン変化は、ゲノム全体でのDNA脱メチル化と密接に関連している。今回観察された現象の起こる時期に基づいて判断すると、DNA脱メチル化がDNA修復の機構を要するものであるとするなら、明白なヒストン交換は必要条件というよりも修復によって誘導された応答であると考えられる。

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