Letter 医学:eNOSを介する腫瘍の維持 2008年4月3日 Nature 452, 7187 doi: 10.1038/nature06778 腫瘍細胞はRasのような発がん遺伝子の持続的発現を必要とするようになるため、確立された腫瘍でがん遺伝子の発現が起こらなくなると腫瘍の退縮につながる。多くのがんで、HRas、NRas、あるいはKRasは変異して活性化GTP結合型がん遺伝子の状態にとどまる。Rasは複数のタンパク質を活性化してヒト腫瘍の増殖を開始させるが、PI3Kだけはこの増殖を維持させるために、プロテインキナーゼB(PKB;別名AKT)の活性化を介して発がん性のRasにより活性化され続けなければならない。今回我々は、AKTの基質である内皮型一酸化窒素合成酵素(eNOSまたはNOS3)のリン酸化を阻害すると、腫瘍化の誘導と腫瘍の維持が抑制されることを示す。さらにeNOSは、全腫瘍形成過程を通じて必要となる、内在性野生型Rasタンパク質のニトロシル化および活性化を促進する。したがって、がん細胞でのがん遺伝子RasによるPI3K-AKT-eNOS-(野生型)Ras経路の活性化が、腫瘍化と腫瘍の増殖維持に必要であることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る