Letter 医学:樹状細胞のPAR1-S1P3シグナル伝達が血液凝固と炎症を結びつける 2008年4月3日 Nature 452, 7187 doi: 10.1038/nature06663 複数の異なる要素からなる臨床症状の全般にわたる調節における不可欠な点を明らかにすれば、新たな治療手段の手がかりが見つかる可能性がある。組織因子として知られるサイトカイン受容体ファミリーの一員によって開始される血液凝固は、細菌性敗血症やウイルス性出血熱での全身性炎症反応症候群の特徴であり、抗凝固療法は播種性血管内凝固症候群を伴う重症敗血症に有効な場合がある。血液凝固と炎症を結びつける詳しい機構は、まだ解明されていない。今回我々は、PAR1(protease-activated receptor 1)のシグナル伝達は致死的な炎症応答を持続させるが、トロンビンあるいはPAR1シグナル伝達のいずれかの阻害によりこの応答を阻止できることを示す。スフィンゴシン1-リン酸(S1P)軸はPAR1シグナル伝達の下流の構成要素で、化学的および遺伝学的手法を組み合わせてS1P受容体3(S1P3)を調べることで、敗血症症候群での炎症の増幅に対して樹状細胞のPAR1-S1P3クロストークが極めて重要であることがわかった。逆に、樹状細胞は、亢進した全身性血液凝固を持続させ、リンパ区画内で血液凝固と炎症が相交わる最初の活動中心となる。樹状細胞のPAR1-S1P3シグナル伝達が消失すると、樹状細胞と炎症が排出リンパ節へと隔離され、インターロイキン1βの肺への伝播が減弱する。以上の結果から、リンパ管内での凝固による樹状細胞の活性化が、補償作用の働かない自然免疫応答で全身性炎症と死亡を促進する未知の機構であることが明らかになる。 Full Text PDF 目次へ戻る