Article 脳:ニューロンにおける樹状突起区画ごとの可塑性と入力性質の保存 2008年3月27日 Nature 452, 7186 doi: 10.1038/nature06725 中枢神経系での情報保存は、主としてさまざまな形でのシナプス可塑性によって成立すると考えられているが、例えば細胞膜の興奮性の変化など、他の機構によるものも考えられる。局所的な樹状突起の発火は非線形的な電位変化現象で、空間的に集中して時間的に同期した入力が樹状突起の一分枝内にあると発生する。局所的発火は正確に相関した入力に対してのみ選択的に発生し、それが特定の入力性質の検出装置として、そして、おそらくは強力な情報保存機構として機能することを可能にしている。しかし、局所的樹状突起発火の可塑性が有効な形式として実在するかどうかは、これまで示されていない。本論文では、ラット海馬CA1錐体ニューロンでの局所的樹状突起発火と細胞体との共役が、N-メチル-D-アスパラギン酸受容体(NMDAR)に依存した樹状突起上のKv4.2カリウムチャネルの調節によって、樹状突起分枝特異的に変化しうることを示す。これらのデータは、樹状突起分枝の興奮性が空間区画ごとに変化することによって、例えば時空間的相関性といったシナプス入力の複数の複雑な性質を保存できることを示している。この「分枝強度増強」はこれまで知られていなかった情報保存形式で、個々のシナプスの強度変化による情報保存形式とは、作動機構レベルの点でも保存される情報のタイプの点でも異なるものであると我々は考える。 Full Text PDF 目次へ戻る