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協力行動:勝者は相手を罰しない

Nature 452, 7185 doi: 10.1038/nature06723

協力は人間行動の鍵となる側面である。人はたとえコストがかかるときにも他者を助けようとしがちである。コストが小さく、助ける相手の利益が大きなときには助ける傾向は強くなる。協力においては、個体にとって最良なものとグループにとって最良なものの間に拮抗が生じる。メンバー全員の協力がグループにとっては望ましいが、各個体はつい裏切りを試みたくなる。近年、人間の協力行動において、コストを伴う処罰の効果を調べることに大きな注目が集まっている。コストがかかる処罰とは、他者にコストを与えるために自身がコストを支払うことを意味する。処罰にコストがかかるときには、繰り返しのないゲームで評判効果のないときでも、協力行動を促進すると示唆されている。しかし、我々の相互関係のほとんどは繰り返しがあり、評判はいつもあてにならない。それゆえ、コストを伴う処罰が協力行動促進に重要であるなら、繰り返しのある条件でもそうでなければならない。我々は、繰り返しのあるゲームの試行のたびに、参加者が協力・裏切り・コストを伴う処罰のどれかを選択する実験を行った。対照実験では、参加者は協力するか、裏切るしかできない。今回我々は、コストを伴う処罰という行動の選択肢が加わることで協力行動の量は増加するが、グループ全体の平均利益は増加しないことを示す。さらに、総利益とコストを伴う処罰の間に強い負の相関があることも示す。最も高い総利益を得る個人はコストを伴う処罰を行わない傾向がある。つまり、勝者は相手を罰しないのである。このことから、コストを伴う処罰行動は協力ゲームにはうまく適応せず、この行動は他の要因により進化した可能性が示唆される。

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