Letter

脳:ヒト脳の活動から被験者の見ている自然画像を特定する

Nature 452, 7185 doi: 10.1038/nature06713

神経科学の到達困難な目標の1つは、脳の活動から心の動きを解読できるようになることである。最近の機能的磁気共鳴画像法(fMRI)研究では、視覚皮質の活動から、視対象の傾きや位置やカテゴリーが解読されている。しかし、これらの研究では通常、比較的単純な刺激(例えば格子模様)や、一定のカテゴリーから選ばれた画像(例えば顔や家)が用いられ、また、同類の刺激またはカテゴリーの画像によって引き起こされる脳活動をあらかじめ測定しておき、それに基づいて解読が行われていた。こうした制約を克服するため、今回我々は、視覚刺激と低次視覚野のfMRI活動との相関を特徴づける「定量的受容野モデル」に基づく解読法を開発した。このモデルは、空間、傾き、空間周波数に関する個々のボクセルのチューニングを記述し、自然画像で誘発される応答から直接的に推定される。この受容野モデルによって、多数の全く新奇な自然画像群中から、被験者が見ていた画像がどれだったかを特定できることを示す。この特定は、単に視覚野が網膜位相的構造をもつことの結果ではない。空間位置のチューニングだけを記述するもっと単純な受容野モデルでは、特定の成功率がはるかに低くなるからである。今回の結果から、脳活動の測定だけからの個人の視覚体験像再構築が遠からず可能になるのではないかと考えられる。

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