Article

地球:北極海ガッケル海嶺下の非常に不均質な古代のマントル

Nature 452, 7185 doi: 10.1038/nature06688

海嶺下の地球マントルは以前に起きたメルトの抽出により枯渇しているが、対流攪拌によってかなり均質になっていると一般に考えられている。均質であるというこの推測は、液相濃集元素に富んだ部分があることによってわかりにくくなってきた。本論文では、超低速で拡大しているガッケル海嶺(北極海)の難溶性の深成カンラン岩には、非常に枯渇した187Os/188Os比をもち、モデル年代が最大20億年になるものがあり、マントル対流によって消し去られることがなく長期にわたり保存されている難溶性領域がマントル・アセノスフェア中にあると考えられることを示す。難溶性領域は、マグマ生成にはほとんど寄与しないので、大洋中央海嶺玄武岩試料に現れることはない。したがって、大洋中央海嶺の下で上昇してくるマントルは非常に不均質であり、その組成を大洋中央海嶺玄武岩のみによって絞り込むことが困難であることが示唆される。さらに、海洋マントル内に古代の領域が存在することから、オスミウムモデル年代を用いて大陸リソスフェアの進化に拘束条件を与えるには注意が必要であると考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度