Letter

遺伝:亜硫酸水素塩を用いるショットガン法によるシロイヌナズナゲノムの塩基配列解析で明らかになったDNAメチル化パターン

Nature 452, 7184 doi: 10.1038/nature06745

DNAのシトシンメチル化は、遺伝子発現の調節、またトランスポゾンや反復塩基配列のサイレンシングに重要な働きをする。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ゲノムの最近の研究によって、多くの内在性遺伝子はプロモーター内か転写される領域内のどちらか一方がメチル化されていることや、遺伝子のメチル化が転写レベルと強く関連していることがわかった。しかし、植物ではメチル化にさまざまな型があってそれを制御する遺伝子経路も異なり、またどの植物ゲノムについても、個々のシトシンのメチル化状態に関する詳しい情報は得られていない。このような情報を得るために、我々はゲノムDNAの亜硫酸水素塩処理とIllumina社の1G Genome Analyser、Solexa塩基配列決定技術を用いた超ハイスループット塩基配列決定法とを組み合わせて、シロイヌナズナゲノムのメチル化シトシンの地図を塩基対1個の分解能で作製した。BS-Seqと呼ばれるこの方法によれば、従来のマイクロアレイ法とは異なって、特定の塩基配列内にあるシトシンのメチル化をゲノム規模で詳細に調べられる。本論文では、シロイヌナズナゲノム中のこれまで調べることができなかった配列要素内のメチル化について述べ、DNAメチル化配列の組成と分布を解析する。また、さまざまなDNAメチル化変異体がゲノム全体のメチル化パターンに及ぼす影響についても明らかにし、我々の新たに開発したライブラリー構築と計算的手法とが、マウスなどの大型ゲノムにも応用可能であることを実証する。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度