Article 細胞:ピルビン酸キナーゼM2はホスホチロシン結合タンパク質である 2008年3月13日 Nature 452, 7184 doi: 10.1038/nature06667 増殖因子は、細胞を刺激して余分な栄養を取り込ませ、それが同化過程に使われるようにする。これがどのような生化学機構によって遂行されるのかは完全に解明されていないが、反応はシグナル伝達タンパク質のチロシン残基のリン酸化によって開始される。ホスホチロシン結合タンパク質探索のために新しくプロテオームスクリーニングを行い、解糖にかかわる酵素ピルビン酸キナーゼのヒトM2(胎児)型アイソフォーム(PKM2)が、チロシンのリン酸化されたペプチドに直接、選択的に結合することを明らかにした。ホスホチロシンをもつペプチドがPKM2に結合すると、アロステリック活性化因子であるフルクトース-1,6-ビスリン酸が解離し、PKM2の酵素活性が阻害される。また、細胞が特定の増殖因子によって刺激されると、このホスホチロシンシグナル伝達を介したPKM2の調節によって、グルコース代謝物がエネルギー生産から同化過程へと方向転換されることもわかった。これらを総合すると、このホスホチロシン結合型のピルビン酸キナーゼの発現が、がん細胞の急激な増殖に不可欠であることが示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る