Letter

視覚:神経集団での視覚情報の順応的コード化

Nature 452, 7184 doi: 10.1038/nature06563

外部環境の知覚は、入力刺激の変化に対して神経ネットワークがすばやく順応する能力に依存する。神経コードが適応的である、すなわち、感覚ニューロンはその応答と選択性を入力刺激の変化に適合するように動的に変化させることは、次第にはっきりしてきた。感覚のコード化と行動の間の関係を解明するには、固定構造からなる刺激への暴露または順応によって、皮質ネットワークによる情報処理がいかにすばやく変化するかを知ることが不可欠である。順応の生理学的解析により、個々の感覚ニューロンがどのように応答を変化させて刺激コード化に影響するかの理解は進んできたが、神経集団での情報コード化に順応が影響を及ぼすかどうか、またその仕組みについてはわかっていない。今回我々は、短い(凝視の時間スケールでの)順応が、ニューロン間の相関構造と集団コード化の精度にどう影響するかを、アカゲザル(Macaca mulatta)の一次視覚野(V1)で調べた。その結果、固定構造からなる刺激への短い順応の後、相関性の平均および変動幅の選択的な減少によってネットワーク全体にわたる相関性分布が再編成されることがわかった。このニューロン間相関の順応後変化は、集団コードの効率にみられる特異的で刺激依存的な変化と連動しており、順応後の知覚能力の変化に合致していた。この結果は、感覚コード化の現行理論の予測を超える意味をもち、自然な視覚活動中にも、短い順応によってニューロンの性能が最適になるように集団コード化の精度が向上されていることを示唆している。

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