Letter

材料:多層膜ヒドロゲル

Nature 452, 7183 doi: 10.1038/nature06619

多糖類を使ったヒドロゲルは、食品や化粧品処理から薬物送達、組織工学に至るまで、数多くの用途に有用である。高分子電解質溶液からのヒドロゲル形成は複雑であり、さまざまな分子相互作用を伴う。多糖の物理的ゲル化は、親溶媒性相互作用と疎溶媒性相互作用のバランスを保つことで実現できる。高分子鎖の再構成は、単純なヒドロゲル集合体を形成する処理手段の1つである溶媒交換によって実現できる。それにもかかわらず、ヒドロゲルの形成に関する多くの研究は経験的なものであり、関係する反応機構がよく解明されていないため、より複雑な構造体の処理が滞っている。今回我々は、制御された物理化学的条件下で多段階断続ゲル化処理を用いて、「タマネギのような」多層膜構造をもつ複雑なヒドロゲルを作製した。我々の方法は、複雑な形状をもち多層膜からなるゲルの処理を大幅に単純化するものである。文献に報告されている既存の集合体とは対照的に、我々の方法によって、細胞や薬物の導入に適した自由に使える「膜間」空間を形成できる。これらの構造は生物医学用途で有用であると考えられ、目的に合わせて作製したチューブ状や球状の3次元多層膜構造体をうまく使うことで興味深い展望が開かれる。

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