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生態:ミーヴァトン湖のユスリカの大振幅変動と交替型動的状態

Nature 452, 7183 doi: 10.1038/nature06610

複雑な動態は、単純な生態学的モデルで示される場合がしばしばで、実験室および自然界の系ではっきりと示されてきている。しかし、理論的にはありうる動態でも、いまだ自然の中に認められていないものは多い。今回我々は、アイスランドのミーヴァトン湖に生息するユスリカTanytarsus gracilentus(双翅目ユスリカ科)に関する長期の時系列データを分析した。このユスリカには6桁近い密度変動が認められる。しかし、この変動は周期が4〜7年と不規則であり、複雑な動態を示している。我々は、定性的に異なる動態をとりうる3種類の消費者-資源モデルをデータに当てはめた。これらのうち最もよく適合するモデルでは、環境が変動しない条件で交替型(alternative)の状態を示し、ユスリカの初期密度によって定点付近の変動あるいは大振幅サイクルのいずれかを示す。これは、観察された複雑な個体群動態を説明している。大振幅で不規則な変動は、可能な2つの状態に対する吸引域への切り替えが起こるような動態が、確率論的変動によって生じることが原因である。このモデルによれば、変動の振幅は、ユスリカ生息地への微量の上乗せ供給に強く依存している。この上乗せ供給は、人間が引き起こす湖の水文学的変化に敏感であり、この変化には、変動の振幅を拡大させる浚渫など、人間の及ぼした影響があると考えられる。ミーヴァトン湖ではTanytarsus gracilentusが生態系の主要な構成要素であり、湖の二次生産力の3分の2を占め、魚類および繁殖期の鳥類個体群にとって重要な食物源となっている。そのため、交替型の動的状態が生み出すユスリカ密度の大振幅で不規則な変動は、ミーヴァトン湖の生態系の大きな部分を支配している。

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