Letter 材料:高い靭性と引張延性をもつ金属ガラス基複合材料の設計 2008年2月28日 Nature 451, 7182 doi: 10.1038/nature06598 現代の高性能エンジニアリング向け構造材料の選択および設計は、強度、延性、靭性、弾性といった機械的特性と、実際に必要な予測可能かつゆるやかな(突発的でない)破壊条件の組み合わせを最適化することで行われる。加工性の高いバルク金属ガラス(BMG)は新種のエンジニアリング材料であり、かなりの技術的関心を集めている。多くのBMGは、高い強度と相当な破壊靭性を示すものの延性に欠け、非拘束荷重構成において脆性破壊と思われる形で崩壊する。例えば、一部のBMGは、圧縮試験または曲げ試験で大きな塑性変形を示すが、そのすべてが単軸引張り時に示す塑性は、無視できるほど小さい(0.5%未満)。引張り時の脆性破壊を克服するためには、BMG基複合材料が導入されてきた。BMGマトリックス中に析出した樹枝状結晶が含まれる不均質微細構造により、剪断帯の無制限の伸びを伴う突発的な破壊に対してガラスは安定化し、全体的な塑性が向上して、破壊はよりゆるやかになる。およそ1 GPaの引張強度、約2〜3パーセントの引張延性、K1C≈40 MPa m1/2という向上したモードI破壊靱性が、これまで報告されている。我々はこの方法に基づいて、基本的な機械的長さスケールと微細構造の長さスケールを合わせることによって「設計された複合材料」を開発した。今回我々は、10パーセントを超える室温引張延性、降伏強度1.2〜1.5 GPa、最高でおよそ170 MPa m1/2のK1C、亀裂伝播に対するG1C≈340 kJ m−2という高い破壊エネルギーを示すチタン-ジルコニウム系BMG複合材料について報告する。そのK1C値とG1C値は、最も靭性の高いチタン合金あるいは合金鋼で得られた値と同じかそれを上回っており、BMG複合材料を最も靭性の高い既知材料の1つとしている。 Full Text PDF 目次へ戻る