Letter 進化:選択は遺伝子流動を圧倒して不適応な擬態を排除する 2008年2月28日 Nature 451, 7182 doi: 10.1038/nature06532 捕食者は危険な餌種を避けるのが普通であり、味のよい餌種(擬態者)が危険な餌種(モデル)の発する警告シグナルを利用して捕食者をだます場合にベーツ型擬態が進化する。捕食者は、モデルがいない地域(異所的地域)では、モデルやそれに似たものを避ける選択を受けなくなると思われるので、ベーツ型擬態はモデルが同所的に存在するところでのみ生じるはずである。しかし、この予測に反し、ベーツ型擬態は異所的地域にしばしばみられる。今回我々は、そのような事例としてサンゴヘビの擬態に着目した。そして、間接的にDNAを使う手法により、擬態者は擬態が有利に働く同所的地域から有利に働かない異所的地域へ移動することを示唆する証拠を提示する。このような遺伝子流動は、母系で遺伝するミトコンドリア遺伝子よりも核遺伝子の方に盛んであり、異所的地域での擬態表現型の存在は、雄による分散で説明できる可能性があることを示唆している。しかしながら、このような遺伝子流動があるにもかかわらず、異所的地域の擬態者個体は同所的地域のそれよりもモデルに似ていない。我々は、このような擬態の排除はおそらく、異所的地域だと擬態表現型がより目立ってしまうために、それを発現した個体を排除するように作用する捕食者介在型の選択を反映していることを示す。したがって、遺伝子流動はベーツ型擬態が異所的地域に存在する理由の説明づけになる可能性があるが、異所的地域では自然選択がそのような遺伝子流動をしばしば圧倒して擬態でない表現型の進化を促進すると思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る