Letter 細胞:動原体領域反復配列の転写とヘテロクロマチン構築の細胞周期制御 2008年2月7日 Nature 451, 7179 doi: 10.1038/nature06561 真核生物ゲノムのヘテロクロマチンは、転写抑制などの多様な染色体過程を制御する。ところが、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)ではRNAポリメラーゼII(RNAPII)による動原体領域反復配列の転写が、RNA干渉を介するヘテロクロマチン構築に不可欠である。今回我々は、細胞周期中のヘテロクロマチン動態と、そのRNAPIIによる転写への影響について検討する。細胞周期のS期には、RNAPIIが動原体領域反復配列を優先的に転写する短い期間がある。この期間を決めているのはヘテロクロマチンであり、ヘテロクロマチンはこの期間以外の細胞周期のほとんどの期間でRNAPIIが動原体領域反復配列に結合できなくしている。S期のRNAPIIによる転写は、RITS複合体のAgo1サブユニットやClr4メチルトランスフェラーゼ複合体のサブユニットRik1などのRNA干渉因子や、ヘテロクロマチン因子の積み込みと関連がある。さらに、Set2はRNAPIIに付随するメチルトランスフェラーゼで、S期に反復配列遺伝子座のヒストンH3の36位リシンをメチル化し、Clr4と並行した経路で作用してヘテロクロマチン構築を促進する。また、ヒストンH3の10位セリンのリン酸化は有糸分裂中にヘテロクロマチンを変化させるが、これは動原体領域反復配列の転写抑制に影響を与えるコンデンシン動員と相関することもわかった。今回の結果は、動原体領域反復配列に対するヘテロクロマチンターゲティングの少なくとも2つの異なった様式を示唆しており、それらによってRNAPIIによる反復配列の転写と、メチル化したヒストンH3の9位リシンに結合したクロモドメインタンパク質による転写抑制因子の動員が起こる。これらの過程が協調して働くことにより、連続する細胞分裂の間のヘテロクロマチン維持を可能にしているのだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る