Letter 免疫:TANK結合キナーゼ1はDNAワクチンに対する自然免疫と適応免疫応答を形づくる 2008年2月7日 Nature 451, 7179 doi: 10.1038/nature06537 よく効くワクチンには、感染防御抗原だけでなく、アジュバント成分、すなわち自然免疫の活性化を引き起こして至適な免疫原性を示すために必須な物質も含まれている。DNAワクチンの場合、アジュバントの成分はプラスミドDNAだと思われているが、詳細はいまだ不明である。また、DNAワクチンがコードされている抗原に特異的なT細胞およびB細胞の応答をどのように惹起するのか、その細胞内および細胞間の自然免疫シグナル伝達経路はまだ明らかにされてはいない。今回我々はin vivoの系を用い、非古典的なIκBキナーゼであるTANK結合キナーゼ1(TBK1)が、DNAワクチンのアジュバント効果を仲介するとともに、マウスの免疫原性に必須であることを示す。プラスミドDNAによって活性化され、TBK1に依存的なシグナル伝達と、その結果生じるI型インターフェロン受容体を介するシグナル伝達は、抗原特異的なBおよびT細胞の誘導に必要であり、この誘導には、Toll様受容体9(TLR9)またはZ-DNA結合タンパク質1(ZBP1;DAIとも呼ばれ、B型DNAのセンサーである可能性が最近報告された)などの既知のCpG DNAセンサーを介する自然免疫シグナル伝達は必要ではなかった。さらに骨髄移植の実験から、造血細胞では、TBK1を介するシグナル伝達は抗原特異的なBおよびCD4+ T細胞の誘導に極めて重要であるが、非造血細胞でのTBK1を介するシグナルはCD8+ T細胞の誘導に必要であることが明らかになった。今回の結果は、DNAワクチンに誘導される免疫原性において、TBK1はDNAによって活性化される自然免疫シグナル伝達を造血細胞と非造血細胞を区別して制御する、重要なシグナル伝達分子であることを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る