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医学:マクロファージ遊走阻止因子は、虚血心臓のAMP活性化プロテインキナーゼを刺激する

Nature 451, 7178 doi: 10.1038/nature06504

環境ストレスに対する細胞応答への理解は、ヒトの疾患にとって大きな意味をもつ。AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)は、エネルギーの産生と消費経路を調和させるように調節し、心臓を虚血による障害やアポトーシスから保護している。アディポネクチンやレプチンなどの血中ホルモンがAMPKの活性化に果たす役割は、近年注目を浴びている。心臓などの標的器官内に存在する局所性のオートクリンおよびパラクリン因子が、AMPKを調節しているかどうかは不明である。本論文では、虚血時の心臓では炎症の上流調節因子であるマクロファージ遊走阻止因子(MIF)が放出され、この因子がCD74を介してAMPKの活性化を刺激し、グルコース取り込みを促進して虚血再灌流障害から心臓を保護することを示す。生殖細胞系列でMif遺伝子を欠失させたマウスでは、虚血時のマウス心臓のAMPKシグナル伝達が阻害されている。MIFプロモーター活性の低下と関連する多型をもつヒト繊維芽細胞では、低酸素時のMIF放出並びにAMPKの活性化が低下した。今回の結果から、虚血時にMIFは心臓保護的作用をもつAMPK経路の活性化を調節し、心臓の炎症と代謝を機能的に関連づける。MIF発現における遺伝的変異は、AMPK経路を介して虚血に対するヒト心臓の応答に影響を及ぼすと考えられることから、冠動脈疾患患者では、MIFの遺伝子型解析による診断により、リスクが予測できるのではないかと推測される。

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