Letter

気候:近年の大西洋のハリケーン活動の増大に対する海面温暖化の大きな寄与

Nature 451, 7178 doi: 10.1038/nature06422

大西洋におけるハリケーン活動は、1995年以降著しく増加してきたが、増加の基盤となる原因はいまだにわかっていない。大西洋の海面水温の上昇が関与していると広く考えられているものの、その寄与の程度は解明されていない。本論文では、北大西洋熱帯域、カリブ海、メキシコ湾で発生したハリケーンについて、この寄与の大きさを定量化した。アメリカ合衆国に上陸するハリケーンの大部分は、これらの海域で発生したものである。局所的な海面水温と大気風の場という2つの環境変数に基づく統計モデルによって、1965年から2005年に起こった熱帯大西洋でのハリケーンの発生頻度と強度の変動の大部分を再現できることが示された。次に、大気風の場の影響を取り除いて海面水温の影響を評価した結果、検討した期間における8月から9月の海面水温に対する大西洋熱帯域のハリケーン活動の感度は、海面水温が0.5℃上昇するとハリケーンの発生頻度と強度が約40%増加する程度であることが示された。この結果は、局所的な海面温暖化が、1996年から2005年の間のハリケーンの活動が1950年から2000年までの平均値に対して、約40%増加した原因であることも示している。我々の解析は、温室効果ガスによって生じた温暖化がハリケーン活動の増大をもたらしたかどうかは明らかにしていないが、ハリケーンと海面水温の間の観測される関係を気候モデルが再現できるかどうかみることは、その気候モデルによって大西洋におけるハリケーン活動の将来変化の信頼できる予測が可能か否かを評価する有用な手段となるだろう。

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