Letter

医学:特定の脊髄GABAA受容体サブタイプによる病的疼痛の回復

Nature 451, 7176 doi: 10.1038/nature06493

炎症性疾患や神経損傷では重度の消耗性疼痛を伴うことが多く、こうした疼痛は慢性化する場合があり、従来の鎮痛剤による治療に対して耐性を示すことも多い。この疼痛の原因には、脊髄後角におけるシナプス抑制の低下が大きく関与していると考えられている。GABAA受容体を調節して脊髄のγ-アミノ酪酸(GABA)作動性の神経伝達を促進することにより、この低下を代償できると考えられる。今回我々は、GABAA受容体への点変異導入により特定のGABAA受容体サブタイプがベンゾジアゼピン結合部位リガンドに選択的に非感受性となったノックインマウスを使用し、α2およびα3サブユニットのいずれかまたは両者を含む脊髄GABAA受容体を特異的に標的とすることで、顕著な無痛覚を起こせることを示す。我々は、非鎮静性(「α1-保持性」)のベンゾジアゼピン結合部位リガンドL-838,417によるGABAA受容体の選択的な活性化が、炎症性および神経障害性の疼痛に対して大きな効果を示し、しかも不要な鎮静作用、運動障害および耐性発生はみられないことを明らかにする。L-838,417は、ラット脳への侵害受容性入力を低減させるだけでなく、疼痛の連合-情動成分に関係する脳領域の活動を低下させることが機能的磁気共鳴画像により示される。今回の結果は、従来の鎮痛剤に耐性を示すことの多い慢性疼痛の治療のために、サブタイプ選択型GABA作動性薬剤を開発することの合理的基盤となる。

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