Letter

海洋:亜熱帯海洋における正味の酸素生産

Nature 451, 7176 doi: 10.1038/nature06441

全球海洋面の80%を占める養分の乏しい海域のプランクトン群集が、酸素と固定炭素の正味の生産者なのかそれとも正味の消費者なのかという問題は、全球炭素サイクルにおけるよくわかっていない重要な要素である。ボトル実験での直接測定結果から、有光層における正味の酸素消費が示されているが、地球化学的証拠からは、海洋上層は酸素の正味の供給源であることが示唆されている。海洋循環系における一次生産には時間的にむらがあり、そのため観測が難しいとすれば、この食い違いは解決できる。このモデルでは、貧栄養域は1年の大半にわたって酸素の正味の消費者だろうが、一次生産速度の高い短期の強力な事象が十分な固定炭素と溶存酸素を生産し、年サイクル全体の平均では正味の生産をもたらしているのかもしれない。本論文では、酸素センサーをプロファイリングフロートに搭載する新しい技術を用いて、南北太平洋の亜熱帯循環中の複数の観測点で3年間にわたって観測された酸素生産の収支を調べた。初冬期に混合が起こり上層の水柱が均質化されて、低い酸素濃度をもたらしていることがわかった。その後、混合層の下ではほぼ一定の速度で酸素が増加しており、その速度はこの観測とは関係なく行われた群集の正味の生産に関する測定値と同程度である。この連続的な酸素増加は、正の酸素生産を維持するのに間欠的に生ずる事象を必要としない、1年を通じて固定炭素の正味の生産者(正味の独立栄養)である生態系に一致する。

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