Letter 宇宙:γ線によって明らかにされた銀河円盤における陽電子の非対称な分布 2008年1月10日 Nature 451, 7175 doi: 10.1038/nature06490 511 keVガンマ線の線放射は、電子-陽電子対消滅の痕跡である。そのような放射がほぼ銀河系中心にあたる方向からやってくることは30年前から知られているが、陽電子の起源は解明されておらず、星での元素合成、高密度天体への降着からエキゾチックなダークマター粒子の消滅に至るまで、さまざまな提案がなされてきている。本論文では、銀河円盤内部(銀河中心から10〜50°)に源をもつ511 keVの輝線に明確な非対称性があることを報告する。この非対称性は、光子エネルギーが20 keVを超える領域で強い放射を示す低質量X線連星(「硬」LMXB)の分布における非対称性に似ており、それらが陽電子の主要な起源である可能性を示している。電子-陽電子対プラズマがX線連星に存在する可能性は、ずっと以前から推測されていたが、陽電子の多くが散逸してエネルギーを失い、最終的に星間物質中の電子と対消滅して、その結果、幅の狭い511 keVの輝線が生じるのかどうかは明らかでなかった。我々の結果は、これらのモデルの場合は、典型的な硬LMXBから1秒間あたり1041個の数倍までの陽電子が散逸することを示唆している。銀河バルジ中の硬LMXBから陽電子がこのレベルで生成されるならば、ダークマターがかかわるような、もっとエキゾチックな粒子を考える説明の必要性は少なく(あるいは要らなく)なるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る