Letter 免疫:トリプトファン異化の欠損はマウスの慢性肉芽腫症で炎症を引き起こす 2008年1月10日 Nature 451, 7175 doi: 10.1038/nature06471 慢性肉芽腫症(CGD)が、小児が感染から助かる能力に致命的な影響を与える疾患として初めて報告されたのは、ほぼ50年前のことである。それ以来、患者の白血球は微生物を殺す能力が不十分であること、遺伝的な異常が根本原因であることなど、さまざまな重大な発見がなされてきた。この遺伝性疾患では、食細胞がNADPHオキシダーゼ活性を欠き、活性酸素種、とりわけスーパーオキシドアニオンが産生されず、細菌や真菌感染が再発する。CGD患者はまた、慢性の炎症状態にあり、管腔臓器での肉芽腫形成でそれが最も著しい。微生物による発病が増加する詳しい機構は不明であり、また、過剰な炎症応答が引き起こされる理由の方も明らかになっていない。本論文では、致死性の肺アスペルギルス症を発症したCGDマウスでは、キヌレニン系路によるトリプトファン代謝でのスーパーオキシドに依存する反応段階が阻害されており、Vγ1+ γδ T細胞の反応性拘束解除、インターロイキン(IL)-17の優先的産生、調節性T細胞の活性欠損、および急性炎症性肺傷害が引き起こされることを示す。IL-17の中和あるいはγδ T細胞の減少は有益な影響を与えるが、過剰な炎症という表現型の完全な治癒と回復は、この経路の阻害部位よりも遠位での天然のキヌレニンによる置換療法によって達成される。組み換え型インターフェロンγ(IFN-γ)の同時投与などの有効な治療によって、下流の免疫活性代謝産物の産生が回復し、調節性Vγ4+ γδ T細胞およびFoxp3+ αβ T細胞の出現が可能になる。したがって、矛盾するようだが、活性酸素種の欠乏は、NADPHオキシダーゼ欠損に関連する過剰炎症という表現型の一因となっており、これはトリプトファン異化を行うキヌレニン経路の機能不全を介して起こる。しかし、この状態は、この反応経路のスーパーオキシド依存的段階の下流の経路を再活性化することで元に戻すことができる。 Full Text PDF 目次へ戻る