Letter 地球:東太平洋海膨における軸に沿った熱水の流れの地震学的同定 2008年1月10日 Nature 451, 7175 doi: 10.1038/nature06424 大洋中央海嶺軸での熱水循環は、リソスフェアとその上の海洋の化学的性質に影響を及ぼし、生物群集の化学合成を支え、リソスフェアから海洋への大きな熱輸送を引き起こしている。一般に、このような系における流れは海嶺軸と交差する方向を向き、軸から離れた断層で再充填が起きていると考えられているが、熱水系の構造と規模は普通、直接観測ではなく、地球物理学的状態により拘束条件が課せられた熱的モデルと地球化学的モデルから推測されている。微小地震の存在は、冷たい海水が高温の地殻岩から熱を抽出する熱的な割れ目の多い領域や、マグマとテクトニックな応力によって割れ目ができ空隙率と透水率が増加する領域を明らかにすることで、熱水流路の解明に役立つ可能性がある。本論文では、東太平洋海膨のよく研究された熱水噴出口群の下の震源が、海嶺軸の小さな不連続の近傍にある鉛直の筒状領域と、海嶺軸のマグマ溜まり直上の帯状の領域に集中していることを示す。海嶺のこの部分に沿った熱水噴出口の分布および温度に対する浅部の筒状の震源群の位置は、テクトニックな破砕によって透水性が生じた結果、熱水の再充填がそこに集中している可能性を示唆している。さらに、マグマ溜まりの上の地震活動の帯は、熱水活動による割れ目が生じている地帯と考えられ、そうすると熱水循環の方向が海嶺軸に沿ってしっかりそろっている可能性が示唆される。熱水のセルが海嶺軸と交差する方向に向いており、海嶺軸から離れるにつれて再充填帯がまばらになることを示唆するモデルは、拡大速度の速い東太平洋海膨には適用できない可能性があると我々は考える。 Full Text PDF 目次へ戻る