Letter 材料:熱電性能が向上した粗いシリコンナノワイヤー 2008年1月10日 Nature 451, 7175 doi: 10.1038/nature06381 世界の電力の約90パーセントは、熱源に化石燃料の燃焼を使い、概して30〜40パーセントの効率で作動する熱機関により生産されている。そのため、ほぼ15テラワットの熱が環境中へ失われる。熱電モジュールは、この低質廃熱の一部を電気に転換できる可能性があるが、その効率はその材料成分の熱電性能指数ZTに依存する。ZTはゼーベック係数、電気抵抗率、熱伝導率、および絶対温度の関数になる。過去50年にわたって、ZT>1へと向上させるのは難しかったが、それはZTのパラメータが一般に相互依存的だからである。ナノ構造化した熱電材料はZT>1と高くできるが、用いられている材料(Bi、Te、Pb、Sb、およびAg)と製造工程は、実際に使用可能なサイズにまで大きくするのが容易でないことが多い。本論文では、直径が20〜300 nmの粗いSiナノワイヤーのウエハースケールの大面積アレイを電気化学的に合成したことを報告する。これらのナノワイヤーは、ドープしたバルクSiと同じゼーベック係数と電気抵抗率をもつが、直径が約50 nmのナノワイヤーは熱伝導率が1/100に低減し、室温でZT = 0.6が得られた。このようなナノワイヤーでは熱伝導率の格子成分はSiの非晶質限界に近くなるが、これは現行の理論では説明できない。バルクSiは熱電特性が劣る材料だが、ゼーベック係数と電気抵抗率にあまり影響を及ぼさずに熱伝導率を大幅に低減できれば、Siナノワイヤーアレイは高性能の拡大可能な熱電材料として有望である。 Full Text PDF 目次へ戻る