Article 神経:錐体ニューロン樹状突起での局所的な動的シナプス学習規則 2007年12月20日 Nature 450, 7173 doi: 10.1038/nature06416 シナプス伝達の長期増強(LTP)は、記憶・学習の諸相の基盤である。LTPは個々のシナプスのレベルでは入力特異的だが、神経ネットワークモデルでは、近隣のシナプスの可塑性間に相互作用があることが予測される。今回我々は、マウス海馬錐体細胞で、1つのシナプスのLTP成立が周囲のシナプスの増強の閾値を下げることを見いだした。二光子励起によるグルタミン酸のケージ解除や、シナプス刺激によって入力特異的なLTPを引き起こした後には、それ自体ではLTPを起こさない弱い閾値下刺激も、周囲のスパインで安定なLTPが誘発され、スパイン肥大化が起こった。また、LTPの誘発は、発火タイミング依存的LTPのシナプス前発火-後発火間隔を、1つの樹状突起の近傍内で拡大させた。LTP誘発閾値の低下は、約10分間持続し、樹状突起の約10 µmの範囲に及んだ。こうした近隣シナプス間の局所的相互作用は、記憶保持に関する集団可塑性モデルを支持するものであり、同じ樹状突起分枝に入る行動的に関連した情報を結びつけるのに役立っている可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る