Review Article 進化:10年余りの研究の進歩でもなお謎の多い被子植物の起源 2007年12月20日 Nature 450, 7173 doi: 10.1038/nature06393 本論文では、被子植物の起源に関する研究の最近の進歩について論ずる。被子植物の系統学について理解が大幅に深まったことから、原始的な性質と考えられるものがより明らかになり、花の化石が最近発見されたことで、初期の被子植物の多様性についてもその詳細が徐々に解明されつつある。1980〜1990年代に主流であったanthophyte theoryという概念は消滅し、かつて被子植物に最も近いと考えられていたグネツム目は、むしろ現存の裸子植物、おそらくは針葉樹に最も近いと考えられている。さらに、形態だけでなく、遺伝子の機能、重複、および欠損に基づく、花の起源に関する新たな理論が提唱されている。種子植物の生殖発生を制御する遺伝子機構の研究が進展すれば、これらの新しい理論の検証ばかりでなく、今後の研究に最も期待できる手段となろう。被子植物に近いことが確かな形態を備えた化石が見つかれば、被子植物の起源に関する理解には大変革が起こる可能性がまだ残っている。 Full Text PDF 目次へ戻る