Letter 神経:単一の小脳苔状繊維終末ボタンによる知覚情報の高忠実度伝達 2007年12月20日 Nature 450, 7173 doi: 10.1038/nature05995 個々のシナプス結合での知覚情報の伝達を理解するには、シナプス前終末の性質と知覚刺激によるその発火パターンの知識が必要である。しかし、中枢神経系では、神経終末のサイズが小さい上に、到達しにくいため、これまでそうした知識を得るのは困難だった。今回、in vivoで小脳苔状繊維の終末ボタン(小脳皮質への主たるシナプス入力源)からの直接パッチクランプ記録により、知覚刺激が単一終末ボタンを非常に高い瞬間発火頻度(700 Hz以上)でバースト発火させうることを示す。苔状繊維-顆粒細胞シナプスは、これらの振動数でも高忠実度の伝達を行うことが明らかになり、知覚刺激により引き起こされる顆粒細胞の応答の基礎となっている興奮性シナプス後電流の高速バーストは、このようなシナプス前終末の高頻度発火で駆動されうることが示される。また、in vivoでの発火パターンで刺激した場合には、in vitroの単一苔状繊維で顆粒細胞の活動電位発火を起こさせることができた。これらの知見から、苔状繊維から顆粒細胞への中継は「起爆剤」方式で働いている可能性が示唆される。すなわち、単一の求心性入力で知覚情報を運ぶのに十分なのである。この仕組みが、小脳苔状繊維系に知覚情報伝達の著しい感度と高忠実度を与えている。 Full Text PDF 目次へ戻る