Article 構造生物学:カルシウムポンプによるカルシウム輸送の構造基盤 2007年12月13日 Nature 450, 7172 doi: 10.1038/nature06418 P型ATPアーゼである筋小胞体Ca2+-ATPアーゼは、筋肉の機能と代謝に極めて重要な役割を果たす。今回我々は、ウサギ骨格筋Ca2+-ATPアーゼの機能研究と3つの新たな結晶構造を報告する。これらの3つの構造は、Ca2+結合、Ca2+の転移、脱リン酸化に伴って生じるリン酸化酵素中間体にあたり、それぞれ機能的ATP類似体、フッ化ベリリウム、フッ化アルミニウムとの複合体に基づくものである。これらの構造によって、Ca2+-ATPアーゼのヌクレオチド結合から陽イオン輸送へのサイクルが完結する。酵素のリン酸化はコンホメーション変化を引き起こし、その結果、P型ポンプの典型的膜ドメインである膜貫通セグメントM1〜M6からなる筋小胞体内腔から出口経路が開く。Ca2+の放出は、Glu 309、Glu 771、およびAsn 796を筋小胞体内腔へ露出するM4ヘリックスの移動によって起こる。これらの結果は、P型ATPアーゼが、真核細胞の重要な機能に必要とされる急峻な電気化学的勾配を形成する機構を説明するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る