Letter 微生物:新規発見のヴェルコミクロビウム種が示すpH 1未満でのメタン資化性 2007年12月6日 Nature 450, 7171 doi: 10.1038/nature06222 泥火山、泥水泉、および噴気孔は、ガスや水、半流動性の泥質マトリックスの放出がみられる特徴的な地質学的構造で、大量のメタンを大気中に流出している(10−1〜103 t y−1)。これらの領域の環境条件は、常温中性pHから高温低pHまでさまざまである。泥火山では生物によるメタン消費が強く示唆されているが、噴気孔の苛酷な条件(70 ℃、pH 1.8にもなる)で増殖するようなメタン資化細菌は知られていない。好気的メタン酸化の第一段階は、水溶性または膜結合型のメタンモノオキシゲナーゼが行う。本論文では、ソルファタラ噴火口の泥水泉および噴気孔近辺の露出土壌から抽出したDNAを使って作製したpmoA(膜結合型メタンモノオキシゲナーゼのβサブユニットをコードする遺伝子)クローンライブラリーによって、新たな遠縁のpmoA遺伝子群が見いだされたことを報告する。50 ℃、pH 2.0でのメタン資化細菌濃縮により、既知のいかなるpmoA遺伝子についても同一性が50%に満たない最も遠縁の一群が培地に現れた。最終的には、プランクトミセス/ヴェルコミクロビウム/クラミジア上門に属し、既知のメタン資化細菌が含まれるアルファおよびガンマプロテオバクテリア亜門の外に分類される好酸性メタン資化細菌Acidimethylosilex fumarolicum SolVが単離された。この細菌は、既知のあらゆるメタン資化細菌の至適pHをはるかに下回る0.8という低pHにおいて、酸素欠乏条件下で唯一のエネルギー源としてメタンを使って増殖する。A. fumarolicum SolVは3種類のpmoA遺伝子をもつが、そのうち2つの塩基配列は泥水泉から回収された塩基配列と極めてよく似ている。イエローストーン公園では相同性の高い16S rRNA環境遺伝子配列が得られていることから、この新種のメタン資化細菌は極限環境に広く生息している可能性がある。分布域の広いヴェルコミクロビウム門には培養されていない種が多く、その中の一種が地球化学に関連性のある反応と結びつけられたのは、今回が初めてである。 Full Text PDF 目次へ戻る