Letter 顕微鏡学:メソ多孔質材料における単一分子の拡散の視覚化 2007年11月29日 Nature 450, 7170 doi: 10.1038/nature06398 界面活性剤と骨格構成要素の協同的自己集合によって形成される、周期的な細孔構造をもつメソ多孔質材料は、さまざまな構造をとることが可能であり、その特性を幅広く調節できるため、多数の用途に好適なホストとなる。細孔系中の分子の動きは多孔質材料の最も重要かつ決定的な特徴であるため、局所構造に応じた分子挙動を知ることは関心を集めている。一般的に、1個の蛍光色素分子は、これらの多孔質ホストの構造とホスト内の動態を調べる分子ビーコンとして使用できる。また、単一分子蛍光法では、生物学から不均一触媒反応に至るさまざまな過程の動態を詳細に考察できる。光学顕微鏡法は、拡散分子を収容するホスト系のメソ多孔質構造を直接画像化できないし、透過電子顕微鏡法では、多孔質構造の詳細な画像は得られるが動的情報が得られない。したがって、実際のナノスケールの細孔構造中で分子がどのように拡散するのか「見る」ことは不可能であった。本論文では、電子顕微鏡マッピングと光学的な単一分子追跡実験を組み合わせて、1個の発光色素分子がメソ多孔質チャネル系の直線部、あるいは急角度に湾曲した部分を通って移動する様子を明らかにした。我々の方法では、透過電子顕微鏡によって観察された多孔質構造体と、光学顕微鏡で観察された単一分子の拡散動態を直接相関させている。この手法は、ホストとゲストの相互作用の解明に新たな道を開く。 Full Text PDF 目次へ戻る