Letter 発生:時間適応性機構によるsonic hedgehogモルフォゲン勾配の解釈 2007年11月29日 Nature 450, 7170 doi: 10.1038/nature06347 モルフォゲンは、発生中の組織で細胞分化の空間的設定の制御に働く。一般にモルフォゲン活性は、拡散性シグナルに対する濃度依存的な応答と考えられてきたが、モルフォゲンシグナル伝達の持続時間も細胞応答に影響を及ぼしうる。そのような例の1つが、モルフォゲンsonic hedgehog(SHH)の働きである。脊椎動物の中枢神経と四肢では、細胞分化のパターンはSHH曝露の量と時間の両方によって制御される。これらの2つのパラメーターが細胞レベルでどのように解釈されるのかは不明である。本研究では、SHHの濃度あるいは時間の変化は、細胞内シグナル伝達に同等の影響を及ぼすことを示す。ニワトリの神経細胞はSHH濃度の違いをシグナル伝達の時間制限へと変換するため、シグナル持続時間はSHH濃度に比例する。これは、SHHシグナル伝達のリガンド結合型抑制因子であるpatched 1(PTC1)がSHH依存的に誘導されることを介して、継続的なSHH曝露に対して細胞が徐々に感受性を失うために起こる。したがって、PTC1はSHH勾配の形成における役割に加えて、モルフォゲン勾配の感知に細胞自律的にかかわっている。総合するとこれら結果は、モルフォゲンに対する細胞の時間適応性がシグナルの濃度と時間を統合して異なる遺伝子の発現を制御しているという、細胞によるモルフォゲン解釈の新たな方法を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る